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   ■小島志塾さっぽろの活動レポート2006年

 
6月例会模様 (6月16日(金)18:00〜21:45・於札幌駅北口エル・プラザ)


6月例会はこれからの北海道の米づくりや酪農をどう支えていくべきか色々考えなければならないと思い、下記の2つの話題について発表と論議を行いました。


・【話題1】は北海道の米作り農業を主体に40年取り組んで田畑と里山と沼を含んで、どう自然を守ってきたか、本田弘さん(厚真町)にその実情を聞き、今「現場はどうなっているか」高度経済成長期以降の約半世紀のうちに大きく変容してきた農業について伺いました。
詳細は下記報告参照


・【話題2】は新谷弘美著「病気にならない生き方」が百万部を突破するベストセラーになっていますが、その中で「牛乳有害説」が提起されています。これに触発されて毎日新聞が何回かこれを取り上げています。酪農王国北海道にとってこの問題は生産者、消費者はもとより、加工流通関係者等々多くの人々に切実な問題関心事です。
 厳しさを増す北海道酪農に追い打ちをかけるような「牛乳有害説」をめぐっては中川会員から消費者の立場に立った科学的な解明をするべきとの問題提起がありました。「牛乳を有害とする新谷説」に対して安宅会員(酪農大学前学長)、酪農大学学科長鈴木教授から反論、他の参加者からも種々意見が表明されました。
 必ずしも意見が咬み合い、明解な結論までは行きませんでしたが、重要問題として今後も引き続き核心に触れた論議の継続を期待され、その後の議論の展開に一石を投じました。



別添:北海道・小島志塾さっぽろ2006年6月例会報告

■テーマ 「米作り農業40年を振り返り、これからどうするか考えています」
■話題提供:本田 弘さん(厚真町・本田農場主)


■本田 弘さんのプロフィール
1941年福岡県生まれ 若き日に米づくりを志して渡道し、北海道大学入学、農学部を卒業し、農業に従事する。現在北海道勇払郡厚真町で自然と付き合い続けて40年。水田20余haを耕作し、畑と山林40余haを併せて営農している他、沼地3haを管理している。
■本田農場のプロフィール
<米の生産>
 ・通年、籾(もみ)貯蔵(米が生きている)
 ・その都度、自家籾摺り、自家精米して配達している
 ・山深い厚真川の水田用水を利用。農薬は3回以内にしているが今年は農薬を1回に止めた。
<野菜等の生産>
 ・いも、カボチャ、トウモロコシ、豆類、いちご、大根等栽培。
<里山、沼からの恵み>
 ・春は 山菜:タラノメ等の山菜。沼に育つジュンサイ、わかさぎ等。
 ・秋は きのこ:山のほだ木で自家用きのこを原木栽培。
 ・冬は 木炭:里山の間伐材で木炭(一度に2トン)を生産・木酢液とともに販売。
・知る人ぞ知る!本田農場は近隣の市民に人気があり、農場と里山を訪れる人は年間2千人を超える。
・特に子ども達の自然観察、自然体験は得難い感性啓育の場となっており、毎年ライオンズクラブ主催の「ボーイ・スカウト」の林間キャンプが行われる。
・大人にとっても里山・沼周辺の散策や林間の野点の会や収穫祭・バーベキュー等は人気があり、四季折々自然を人々が増えている。

 
実りを迎えた20hの田んぼ  自然のままの大小の沼が点在
(※写真は本田農場を訪問させていただいた時に撮影したものです:山本・島崎)


■講演「米作り農業40年を振り返り、これからどうするか考えています」
  講師:本田 弘氏 (北海道厚真町・本田農場主)



1.大雪に豊作を期待する
 雪が多い年は、水の心配がいらない。今年は豊作である。豊作は朗報?しかし・豊作が続いた結果、農政は減反政策を加速させ、消費者米価が下がる方向へと進んだ。
 政府買上価格は、他用途米を考慮すると玄米60kg1万円余りにまで下落した。さらに、海外からの輸入を強いられ、これでは、稲作農家として、経営はできない。
 今や農家は、高齢化が進み後継者も育たない。本田さんは、週2回、自ら米を販売している。そうしなければ、経営が成り立たない。


2.大凶作に教えられたこと
 平成5年の大凶作。けっして忘れることが出来ない。作況指数8%。10a当り1俵半である。あきらめの気持ちで刈取り作業を始めてみると、思いがけない事に出くわした。田んぼ一枚毎に収穫量の差が非常に大きかったことである。全ての籾摺りを終えてみたら、我が家では30%くらいであった。(凶作ではあったけれど、喜びも味わった)
 米倉庫に置いた米俵を見つめて、大冷害の恐怖を思い知らされたとともに、この稔った米粒は、どうして冷害に負けなかったのだろう?と考えた。化学肥料の多い田んぼは、どれも決定的に駄目なことに気付いた。


<収穫の差は地力の差>
 地力が大きい田んぼは、微生物がたくさん生息する。年々耕作の積み重ねで、その土地(田んぼ)に生息する微生物→地力が変化する。すなわち、「地力は微生物による生命力であった」。まさしく、「ハワードの有機農業」の通りであった。


<北国に育つ稲の知恵>
 北海道の場合、稲は一週間くらい時間をかけて開花する。気象変化に対応するためか、稲自体が環境変化に耐える力を持っている。種もその地で採取すると、冷害に強い種に変化する。
この冷害から、命の連関の大切さを学んだ。
 昨今の状況を考察すると、来るべき外界の急変に耐えられる備えとしては、あまりにも不充分と云わざるを得ない。



3.裏山が教えてくれたこと

 

 厚真町は、昭和40年頃まで、北海道でも有数の安定した豊かな地域であった。その理由として、全農家が家の近くに5〜10haの山林を所有していたことが大きい。山林は、農家が消費するエネルギーと資材をほぼ完全に供給してくれて、大きな力になっていた。しかし、今日では、その山林が僅かになってしまった。残った山林も人の手が入らず荒廃してきている。
 このような状況の中で本田さんが今日まで山林と付き合えたのは、田んぼと地続きであったことと、多くの人との出会いがあったからと感じる。山の仕事は、文化の香りを持つものであり、それが暮らしと密接に結びついて初めて成り立つものである。
 出稼ぎに出たほうがお金になるが、山から薪がとれ、きのこが採れ、都会から多くの人が子供の情操教育のためにと訪れてくれることによって農業を継続するエネルギーとなった。その結果として、農地、畑地、沼地、山林が他と比較すると珍しい多様性ある環境を生み出した。
@都会の人が大勢訪れることにより、お米以外の農林産物も買って頂けるようになった。
A木々が大きくなるにつれて、沼の水位が安定してきた。
B昆虫、小鳥の種類が多く、最近までオオタカが営巣していた自然環境を保全出来た。
C以前は見かけなかったタヌキ、シマリスなどの動物も生息するようになった。
D自然観測を目的に、農作業の手伝いをしてくれる人が増えた。 等々


4.時流に抗いながら、米を売り始めて15年過ぎて思うこと
@お米を食べる人達が米価が高い、安いと値段だけで食べて欲しくない。
A米生産農家として、出来るだけ良い米を育てたいと思う。
B出来るだけ地力のある田で育て、それを理解して頂ける人に食べて欲しいと思う。
その結果、美味しい、安全な米を育てていけるのではないだろうかと考えている。


■本田氏の講演の後、厚真町の農業について質疑と意見交換を行った。
・厚真は公称農家戸数約600戸というが、実質約400戸と推定される。しかし、後継者ありは10%と云われ、世帯主平均年齢65歳という現在、10年後の姿が案じられる。特に米づくりが主で農業用水の確保が重要な水田地帯では、ぼつぼつと耕作放棄が始まれば持続困難な水田が出てくる。
・大規模化、担い手農家という政策が北海道の稲作農業を維持していけるかどうか。北海道の地域的特性を無視していないかとの危惧や、もっと現場の実情を反映した政策を望む声がだされた。
・改めてWTO対応の行方やEU諸国の農業政策の現状、食糧需給政策の再検討、食糧自給率の向上策等の意見が出された。
・政治や行政の最重要な課題であるが、同時に農業後継者が意欲的な優れた農業者にしっかりと育つ環境、制度、風土を、消費者も一緒になって積極的に創ることを真剣に考えて行くべきだと云う意見が出された。
                                           
【感想】山の中で少し仕事をして頂いた上で、炭火をおこして語ると実感が得られると思います。

                                               (文責:野崎秀夫)


■本田農場の場所(北海道勇払郡厚真町)→MAPIONページへ
厚真町ホームページ


■「病気にならない生き方」新谷弘美著→AMAZONページへ

8月例会模様 (8月21日(木)18:00〜21:50・札幌駅北口エル・プラザ


・【話題1】は北海道の地域興しの動きに触れて、最近の動きを越智文雄(北海道電力(株)札幌支店地域連携.サポ−トグル−プ担当部長)から [北海道の新しいブランドへの取り組み]とのテ−マで、水力発電所の日高トンネルを利用して美味しい北海道産「古酒」を造ろう!という試みや釧路支店での調査捕鯨による「鯨肉」の有効活用など、地域に根ざした試みの紹介とそれを巡っての意見交換を行った。


・【話題2】は安宅会員からその後行われた牛乳に関するシンポジウムでの紹介があり、前回の「牛乳有害説」の続編となった。


・その後、東京小島志塾が閉塾となって、6月終講の集いがあり、9月30日【小島志ネットワーク】の立ち上げが進んであり、その経過報告と立ち上げ集会のお知らせをして、札幌・北海道の会員も「小島志ネットワーク」に参加されるように要望した。

                                           (以上文責:山本克郎)


小島志塾札幌10月例会案内


 6月例会は、北海道の米作り40年取り組んで田畑と里山と沼など自然を守ってきた本田弘さん(厚真町)から北海道農業の実情を「現場はどうなっているか」を伺って、高度経済成長期以降の約半世紀のうちに大きく変容してきた北海道農業について考えながら、これから「米づくり」をどう支えていくべきか色々考えることが出来ました。また中川会員から問題提起された「牛乳有害説をめぐって」は意見交換の端緒をつくり、8月例会でも中川会員、安宅会員等から議論が続きました。
 8月例会は北海道での地域興しについて、越智文雄さん(北海道電力(株)札幌支店地域連携.サポ−トグル−プ担当部長)から 「北海道の新しいブランドへの取り組み」とのテ−マで、水力発電所のトンネルを利用して美味しい北海道産「古酒」を造ろうというプロジェクトや釧路で調査捕鯨による「鯨肉」の有効活用など、取組まれた地域振興の試みを伺って、その実情や動向について議論しました。

 10月例会は「地方自治体の今日的課題について」というテーマで小島忠和会員にお話をいただく予定です。道州制や「地方で出来ることは地方で、民間で出来ることは民間で」という構造改革の流れや過疎高齢化が進む中で道も市町村も深刻な課題に直面しています。同時に全国各地の自治体は真剣に行財政の改革に取組んでいます。
 小島忠和会員は3月まで東藻琴村長を3期務められ、優れたリーダーシップを発揮されましたが、平成の大合併で「大空町」に合併し、札幌に帰還されました。この間の貴重なご経験に基づいた市町村の問題構造と解決の方向等現下の自治体論を伺い、道州制も含んだ議論を出来たら有意義と考えます。会員の皆様万障お繰り合わせの上多数ご参加下さい。


■テ−マ「地方自治体の今日的課題について」 小島 忠和 会員
■報告 「小島志ネットワークHP立ち上げ集会について」 山本 克郎
■日 時 平成18年10月19日(木)18:30〜21:00
■会 場 札幌市北区北8条西3丁目(駅北口)札幌エルプラザ4階特別会議室


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